対談

行動科学マネジメント研究所所長 石田淳 石田淳
日本の行動科学(分析)マネジメントの第一人者。 1988年に上場企業を退社し、独立。その後、渡米。アメリカのビジネス界で絶大な成果を上げる「行動科 学マネジメント」を学ぶ。帰国後、日本企業用にアレンジ、組織の8割のできない人をできる人に変える「行動科学マネジメント」は、リーダーも部下も短期間で育成し、育成コストを削減、多店舗展開に対応できるマネジメントに再構築。 心理学の研究でも明らかになっている、叱るより誉める手法に加え、さらに行動に焦点をあてることで、精神論とは一切関係なく、科学的で実用的な手法、ノウハウとして確立。 現在、大手企業をはじめ、企業の社内研修を活発的に展開。多くの教育メディアの注目を集めている。朝日新聞AERA、プレジデントファミリー、日経キッズプラス、など多くの教育メディアに掲載される。


個人指導専門塾 教育最高責任者 松尾淳一 松尾淳一
行動科学マネジメントの第一人者である石田淳氏との出会いにより教育と経営に目覚める。 石田著の「ママのやさしさが学力を伸ばす」(PHP)「子ども成績を伸ばす1日10分読書」(PHP)といった行動科学ティーチングの教育分野における第一線の人間としての活躍は業界でも一目置かれている。 行動科学ティーチングを土台にした出版物の編集、指導ノウハウの構築、マニュアルの作成に大きく携わる。常に子どもの目線、保護者の思いを忘れない。 行動科学マネジメントを教育システムに転用した行動科学ティーチングの総指揮をとり、自らも実践者として、自分の一人息子にも行動科学を土台にした教育をすることにより成果を確信。行動科学と彼とは必然的な出会いであると自ら語る。 また実践する教育手法は、行動科学ティーチングとして多くのメディアに特集される。

頭がわるいわけではありません

松尾: 個人指導専門塾では、お父さんお母さんたちにいつもお話しすることがあるんです。
それは、 『成績のよしあしは知能で決まると考えがちですが、それは大きな間違いです。 成績の悪い子は、必ずしも頭が悪いわけではありません』 ということなんです。

 個人差は確かにあります。ですが、特に小学校、中学校の教育指導要領に沿った内容であれば、 日ごろから正しい方法で勉強をしさえすれば、極端に成績が上がらなくなるなんてことはありません。 正しい勉強法で勉強をしていないから成績が上がらないだけなんです。

石田:つまり、勉強をする習慣が身についていない子どもが多いですよね。 行動科学ティーチング的には、 成績を上げるには、大きく2つのポイントを捉えてもらいます。 1つが、“勉強のやり方”、そして、“勉強する習慣を身につけること” 。

 「うちの子全然やる気がなくって…」と悩んでいる保護者の方、最近多いですよね。 でもね、テストの後とかだと、子どもたちは、反省してる、もっと良い点とらなきゃって。 また、『今度こそ、点数とるぞ!』ってやる気もあるんです。 でもね。どうやって勉強して良いのかが分からないんですよ。 それと、なかなか続かない…。

松尾:私もそうでした(笑) テストの後だけ燃え上がるんですよ!「『このままじゃヤバイ!」って。 でも、続かないんですよ。3日坊主って本当にあるんですよね。続かない。 母親と約束した手前、『やってない』なんて言えないから、母親の足音が聞こえてくるまでは隠れてマンガ読んだり、ゲームしたり…。 そんな日の繰り返しでしたね。石田淳

石田:今の子どもたちって昔より、ライバル行動が多いでしょ?(※ライバル行動=やるべき行動を邪魔する行動、障害のこと) 最近の子どもってほとんどが携帯も持っているし、携帯ゲーム機も持ってる。 あと自分の部屋ね。それがそろっているのに、「うちの子なかなかやらないんです」っていうのは、子どもが可愛そうだよね。 やっぱり勉強ができる環境を整えてあげなきゃ。 ぼくもそうだったんですよ。子どもの頃。 すぐに他ごとやっちゃう。 隣にマンガがあったら、勉強なんて3分も持たない。

やり方

松尾:『環境』って大事ですよね。 勉強ができる環境が整えば、子どもは自然と勉強をするようになりますよね。 逆に環境が悪いとどんなにやる気があっても邪魔されてしまいますもん。 『勉強の正しいやり方』、『勉強の正しい続け方』 このふたつの方法によって成績が上がっていくんですね。 「できない」と言われる子は、能力が低いわけではなく、ほとんどの場合、やり方がわかっていない、と。 そして、続け方がわかっていないんだと。

石田:「やり方」と「続け方」を正しく教えてあげれば、たいていの子ができるようになるんですよ。 勉強だけじゃないですよ、読書、家の手伝い、何でもそうです。 大人もそうですよね。 ダイエット、禁煙、習い事、…。 問題は、「やり方」と「続け方」なのです。 これらを教える人がいなかったばかりに、子どもたちは「できない子だ」「だめな子だ」とひどいレッテルを貼られているのです。

松尾淳一
松尾:ところが、お母さんたちは結果ばかりを見ようとしてしまう。 できないことを叱り、よその子と比較し、「もっと勉強しなさい」と注意してばっかり、とかね。 勉強ができないままでいいって思っている子どもって1人もいないんです。 できることなら、勉強出来るようになりたいし、 学校の授業が分からなかったらつまらないし、悩んでいるんです。 勉強しようにも、お子さんは勉強のしかたを知らないのです。 それなのに、単に「やりなさい」と言うだけではかわいそうです。


石田:行動科学ティーチングでは、新しい習慣を身につけさせる手法があります。 まず初めに「やり方」「続け方」を教えること、これが大事なんです。 そして行動が発生する条件を整え、自分から行動するように仕向けることですね。 そうすれば誰でも行動が変わり、新しい習慣が身につきます。 これが行動科学ティーチングの考え方です。大人も子どもも基本的に同じです。 人間の行動原理というものは、年齢や性別に関係なく、すべての人に共通しているからです。

  ビジネスの世界でも同じ間違いを見かけます。 新入社員が入ってきたときに、本当に仕事のやり方を教える人は驚くほど少ないんですよ。 だいたいのところだけをサッと教えて「あとは常識で考えて」「ちゃんとやって」などと言うだけです。 他の会社から転職してきた人ならともかく、新社会人にはこんな教え方で通じるはずがありません。

 仕事のやり方がよくわからないのだから、業績が上がらないのは当然です。 それを見た上司は「やる気があるのだろうか」「だめなやつだな」と叱って、本人のやる気がなくなっていくんです。  もちろん叱ることも大切ですが、やり方を知らない人に対しては、まずやり方と続け方を教えるべきなのです。

松尾:そして環境や条件を整え、自然と行動できるように仕向けていくことですね。 新しい行動を身につけさせるときにはこれが鉄則と言えます。 頭ごなしに叱っても、お子さんはどうしていいかわかりません。

お子さんの力

 お母さんを嫌いな子どもは、いないんですよ。 大好きなお母さんにガミガミ叱られてばかりでは、心が傷つき、自分の可能性をつぶし、やがて非行に走ることもあります。 お母さんは広い意味での保護者であるべきです。 お子さんの力を伸ばすことを第一に。 赤ちゃんのときは、“最初に言葉を発した”、“最初に一歩歩いた”、“指さしした” いろんな小さなことで喜んでましたよね。 そのときの思いをいつまでも持ち続けて欲しいですね。

石田:行動科学を取り入れた教育は無限の可能性を引き出します。 読書にしても勉強にしても、お子さんが自ら進んで行動するように工夫してください。 それは親の責任であり、愛情だと思います。

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